最後の恋、最高の恋。
「今日は美味しい料理、ご馳走様でした。 それから失礼なことをたくさん言ってしまって申し訳ありませんでした」
もう一度丁寧に頭を下げれば、さっきもされたみたいにお団子をポフポフと叩かれる。
「気にしなくていいよ、またガっくんとおいで。 美月ちゃんならサービスしちゃうから」
「ありがとうございます」
お礼を言ったと同時に入口のベルが音を立てた。
いつの間にいたのか、坂口さんがもう出ようとしているところだった。
「美月ちゃん、学のこと、好き?」
“ガッくん”じゃなくてちゃんと名前を呼んだことが、宮田さんが冗談じゃなくて本気で聞いてることがわかって、わたしは息を詰まらせた。
好きになりました、と正直に言うことは簡単だけど、坂口さんにすら言えていないことを宮田さんに言うのは憚られて、私はただ宮田さんの目を逸らさずに見つめ続けるだけだ。
宮田さんはそんな私を見つめて、一つ瞬きをするとニィっと笑った。