そんな顔すんなよ





嘘だー!ってどんどん俺に近づいて来る凉菜。


「来んな」


「やだ!勿体無いもんっ」


「そして見るな」


「やだ!超可愛いもんっ」


俺は軽く足を進める。それに合わせて、追いかけてくるもう1つの足。


「……ストーカー」


「学校に向かってるだけです!」


足音だけでも、凉菜が怒っているのがわかる。……ふふっ、やっぱり面白い奴。


ずっと傍にいてほしい。


こうやって、毎日他愛ないことで言い合ってそして仲直りして、笑い合いたい。


「凉菜」


「はわわっ」


呼んだと同時に立ち止まると、背中にも衝撃がきた。


「怒ってる?」


「……怒ってないとでも?」


ぶつかったまま、凉菜は離れようとしない。





< 22 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop