30才の初恋
う、かなり不味い。


清水斗真とバッチリ目があってしまった。


笑ってごまかそうかな。


「加納早く離れろよ。全くやってられない。秘書の仕事を何だと思ってるんだ。」


かなり怒ってるようです。


秘書とキスって、危ない関係って事。


私には想像範囲をはるか越えますけど。


「俺の事は諦めてくれ。派手なメイクにきつい香水、服も下品だし直ぐに抱きつくし、おまけに仕事が出来ない。明日から出社しなくていいから。」


相変わらず口が悪い男。


その怒った顔に鳥肌が立つ。


「え、私首ですか?私は副社長が好きなんです。」


これはもしかして、修羅場と言うやつですか。


恋愛未経験の私には想像もつかないけど、なんだか面白そう。

「仕事に私情を挟まないでほしい。加納君は首だ。さっさと出てってくれ!」


藤川様は笑っていた。


「斗真らしいな。」


いつも秘書と修羅場ですか。


秘書の加納さんは副社長を睨みつて出て行った。


ついでに私も睨まれたんですけど、どうして?


「おい、そこの間抜け女ドアを閉めて中に入れ!」


嫌、絶対中に入りたくないです。


「聞こえないのか、のろま女とっとと入れ!」


どうして、私が怒鳴られなきゃいけないのよ。


清水斗真って最低。


副社長と藤川様がバグしていた。


「じいちゃん、久しぶり。」


藤川様が副社長のおじいさん?


母方の祖父なのだろうか。


あれ、藤川様に何処かで会ったような。


定かでない記憶を必死に手繰り寄せた。























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