30才の初恋
藤川様の笑顔がきえる。


藤川様、大丈夫ですか。


「明日美ちゃんを虐めては駄目だよ。何の為に明日美ちゃんをこの会社に呼んだか、分かっているのかね。」


斗真が私をこの会社に呼んだ。


一体何の為に?


キモい女、俺に近づくなと言ったのは斗真なのに、何でこんな真似をするの。


「明日美ちゃんごめんよ。斗真は本当にバカだから、好きな子に別れるを告げるのが辛くて、あんな酷い事を言ったんだよ。」


「……どう言う意味?」


全く理解出来ない。


私は斗真に嫌われたはず。


斗真に嫌われたのが辛くて、小学校も中学へも行けなくなった。


何故か、急に笑えて来たんだけど。


涙を流して笑う私は相当キモいと思う。


「明日美、ごめん。」


どうして、今なの。


今さら謝られても困る。


「嫌だ、何も言わないで、何も聞きたくない。」


ヤだ、ヤだ、もう止めて。


昔の話に触れないでほしい。


もうあれは過去の事だし、終わった事だから。


「これから明日美ちゃんに償っていけばいいだろ。」


償ってほしくなんかない。


あの時、斗真の事は忘れると決めた。


だから、大丈夫のはず。


お願いだから、そっとして置いて欲しい。


私に何を償いたいと言うの。


償って欲しくない。


全てを忘れたいだけ。





































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