30才の初恋
織原さんに言い返せない自分にイライラした。




帰る仕度をして出口に向かうと、宗次郎がいた。




宗次郎なら私の気持ちを分かってくれるはずだ。宗次郎に声をかけようとすると、宗次郎にかけよる加容子さんを見つけた。




「宗次郎、奈歩も迎えに行って来たよ。今日は夕食何にする?」




嬉しそうに宗次郎に話かける加容子さん。




「加容子は、今日パートの初日で疲れただろ、俺が飯作るよ。」




2人が私に気づいた。




「明日美久しぶりだな、元気にしてたか?」




「宗次郎は元気なの。」




「あぁ元気だよ。明日美、俺たち付き合う事にしたんだ。子供たちが離れなくて、加容子も住むとこないから、俺が全部めんどうみてやることにした。」




良かったね、加容子さん。



「明日美も社長夫人だな、幸せになれよ。」




うん、頷くことしか出来なかった。




家族4人で仲良く歩く姿が、本当に幸せそうで良かった。




宗次郎にはもう頼っては駄目だね。




今までありがとう、宗次郎。



なんだか、急に寂しくなってしまった。



今日斗真は帰って来るのかな。













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