30才の初恋
泣けて来た、私は少しも幸せなんかじゃない。




このまま消えてしまいたいな。



家に帰りたくないが、私には他に行く所もない。




一人でお店に入る勇気もなくて、ウインドショピングしながら歩いた。




こんな時でもお腹は空くんだね。




「ねぇ、ねぇ、お姉さん一人?僕と遊ばない?」




遊ばない?




「おい、オバサン無視するなよ。」




「うるさいよ、中坊が。」




「俺は高校生だよ。オバサンは何才?」




「30才だけど文句ある?」




可笑しなかえ合いに、2人で吹き出した。




2人でコンビニに入る。




彼の名前は堤弘平、高3の男子で部活帰りだった。




2人でコンビニで買った肉まんを食べると、寂しかった心が暖まって、なんか幸せだと感じた。



「泣きたい時は泣けばいい。」




え、私泣きそうな顔してるの。




「オバサン、俺の胸貸そうか?」




け、結構です。




「家に帰りたくないないなら、家に来る。俺一人暮らしだから心配いらないよ。オバサンを襲う趣味ないしね。」



堤弘平高3男子、信じてみてもいいかな。




彼の笑顔が斗真に似ていた。




素直に斗真に会いたいと言えなかったんだ。













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