30才の初恋
弘平の作った炒飯と野菜スープは、とっても美味しくてみんな食べてしまった。



「明日美、そんな細い体のどこにはいんの?」




さぁ、食べる事が好きなだけ。




「明日美は友達がいないのか。」




うん、弘平なら分かって貰えそうだから、今までの事を話した。




20年も引き込もっていて、友達がいない事、親のコネで清水建設に就職した事など、だが斗真のことは何故か話せないでいた。




「明日美、俺の親父知ってるかな?堤恭平、有名な建築家なんだ。」




どんな人かは知らないが、かなり有名な建築家だ。




「清水建設の仕事もしていると思う。」




知らなかった。




私は斗真の仕事の事は、全く分かっていない、お飾りの秘書だから。




こんな私のどこが必要なだと言うのよ。



益々無能力の自分が惨めに思えた。




「明日美大丈夫?泣かないでよ。俺何かした。」




泣きたくないのに、勝手に涙が零れて来た。




「やっぱ俺の胸貸してやるよ。」




弘平、暖かいよ。




ごめんね、今日だけ年下の弘平に甘えてさせて下さい。



斗真なんか、知らない。



私を一人ぼっちにした、斗真が悪いんだからね。











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