30才の初恋
次の日、咲良さんの知り合いの紹介で、陶芸の出来る場所を尋ねた。




かなり山の中にその陶芸場があった。




迷いながら、その場所にたどり着く事が出来た。




大きな釜もあり本当に陶芸場だ。



でも、誰もいない。




重いドアを開けてみると、中に白髪の老人がいた。




私たちの声にその人が振り向いた。




老人ではない。




ロマンスグレーの素敵なおじ様だった。




咲良さんが、その人を見て驚いている。




その人が咲良なのか。



そう言って、私たちに近づいて来た。




「お久しぶりです。要さん。」




要さん。



いったい、誰なのか。




咲良さんが泣いていた。




え、どうして泣いてるの。



要と名乗るその人が、咲良さんを抱き締めた。



ちょっと、咲良さんに何をするんですか。




咲良さんは私が守りますからね。



斗真、どうしよう。



要さんは咲良さんの何なの。



もしかして、初恋の人だったりする?









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