30才の初恋
次の朝円香に明日美姉も中々やるねとからかわれる。


中々やるの意味は何。


「円香は宗次郎知ってるの?」


なんか、ありそうだな。


「知ってるってほどじゃないけど、斗真君と宗次郎さんが一緒の居酒屋にいた時会っただけ。」


何それ。


意味分からないんだけど。


「その日、2人と何を話したの。」


何故かしばらく無言。


「まぁ、色々かな?」


怪しい、これは絶対怪しい。


そこで私の話が出て、無理矢理斗真の会社に入れるように頼んだのではないのかな。


そうなら納得出来るし。


「明日美姉の考えている事ぐらい分かるけど、清水建設に入れたのは親父のコネだから、私は関係ないよ。」


本当だろうか。


円香の言葉を信じて良いの。


まだ、聞きたいことがあるのに。


「遅刻するよ。今日の服はこれを着てね。化粧するから早く朝食だべて。」


これじゃ、まるで着せ替え人形だ。


まだ、まだ、自分では何も出来ない。


化粧ぐらい一人で出来るようになりたいけど、面倒だし。


たけど、頑張ってみるのもいいかなと思ったり。


30才で化粧に目覚めるだなんて、やっぱり笑える。













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