30才の初恋
斗真、本当に大丈夫なの?



私の貯金いくらあったけ?定期預金が確か30万あったような気がするけど。




「明日美、又可笑しな事考えてるだろ。心配しなくても大丈夫だ。」




斗真がそう言うなら信じるしかない。




「私、30万しか貯金ないし。」




あれ、私、声に出してた?



「明日美、気持ちだけで充分だ。」




優しく微笑んで頭をなぜる。




もう止めてよね、勘違いしちゃうよ。




「いい年のオバサンが、貯金30万笑わせてくれるわね。あなた今まで何してたの?」




「俺の大切な女虐めないでくれるかな。」




「斗真さん、いつまで強気でいれるかしら。必ず私に泣き付いてくるはずよ。世の中そんなに甘くはない。清水建設の大株主は私だってご存知かしら。」




斗真の顔が強張る。




私には理解出来ない事ばかりだ。




「雪子、今その話しはしなくてもいいだろ。斗真君本当にすまない。雪子は君とどうしても結婚したいらしい。出来れば雪子との結婚を考えてみてくれないか?」



斗真が何か言おうとすると、その言葉は遮られ、頼むよ斗真君と念を押された。









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