30才の初恋
又車の中は無言のままだった。




斗真、何か言ってよ、息が詰まる。




「おい、寝てるのか?」




寝てないけど、今は答えたくない。




「宗次郎の返事はどうするんだ。」




何でそんな事聞くの?




「斗真に関係ない。」




「関係あるから、聞いてるんだよ。俺の告白はまだだ。」




そんなの知らない。




最後まで無視してやるんだから。




「無視しても言い続けてやる。いいか、今は告白はしない。会社を無事立て直したら、明日美に堂々と告白する。」




無言でいると、頭を叩かれた。




「だから、宗次郎の返事を伸ばせ。YESは許さない!」



はぁ、何を言い出すかと思えば、何で私に命令するの!



「私は「おまえに拒否権はない。」




又ですか?




絶対、宗次郎と結婚したら幸せになると思うのに、斗真を拒めない。




自分でも気がついてる、多分斗真が好き。




20年前のあの日から、この気持ちは変わっていない。









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