30才の初恋
雪子さんが話出した。斗真と初めて会ったのが17才のお正月で、振袖を着ていた雪子さんを斗真が可愛いと誉めた。だから今日は振袖を着たのだと。



その時、雪子さんは斗真に一目惚れて、高校を卒業と同時に告白をした。




斗真は忘れられない女がいると言って、告白を断った。




仕方なく見合いをして、親子ほど年の違う男と結婚をした。




その旦那様は今年の春に亡くなり、かなりの財産を受け継いだ。




どうしても斗真を忘れる事が出来ず、お金を使い斗真を自分のものにしようとした。




そんな事間違ってるよ、雪子さん。




何回拒まれても、斗真にぶつかればいいんだよ。逃げたら駄目。




本当は偉そうな事を言える立場ではないのだけど。




私は斗真から逃げて、20年も自分の殻に綴じ込もっていた。




雪子さんの気持ちも分かるけど、私みたいになってほしくない。




逃げては駄目、諦めたらおしまい。










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