犬と猫…ときどき、君


――“くるみ”。


耳元で、少しだけ苦しそうに囁かれるその声は、私のココロとカラダを潤して、


「春希」

「ん?」

「もう一人で全部抱え込んだりしないって、約束して」

「……分かった」

「あとね」

「ん?」


「死ぬまで傍にいて」

「――死ぬまででいいの?」


「……その先も、ずっと」

「了解」


こんなにも簡単に、私の全てを虜にしてしまうんだ。




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