彼氏の余命を知ってる彼女。


「…ごめんね。軽率に何があった?とか聞いちゃって…」


私は階段を下りて、一年生の子の目の前に立ち言う。


「何回も謝らないでください。こんな話をしだしたのも私ですし、先輩が謝る必要なんてないんです。

…あ、そろそろ行かないと」


彼女は口を尖らせてそう言った後、腕時計を見ながら呟いた。


「…家族で頑張ってね」


私がそう言うと、彼女は満面の笑みでゆっくり頷いた。


「こんな他人の重い話を聞いてくれてありがとうございました。

私は新しい場所へ行きますが、先輩達は変わらずにずっと一緒にいてください」


彼女は私達にそう言って走って行ってしまった。


    
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