桜ちる
歩く人は殆ど居ない。

車が何台か二人を追い越していく。

櫻子は信二が空手の黒帯であることが心丈夫であった。

唯待っているのも馬鹿らしいので歩きだしたが、
彼らの車は追いついてこない。

「不思議だよね」
「何かあったのかしら」
「もし先に行ってたら、同じ事を言ってると思うわ」
「そうだな。しかしどこかで追い越す。一本道だよ」
「そうね」
「二人きりで気まずいのか」

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