桜ちる
「本当に昌子だったの」
「そうだな。逸れも繋がり一つない男の部屋から出てきたなんて
可笑しいよな」
「ええ。誰か他の人よ。御免私急いでいるから」
「又家に帰るのか」
櫻子はある意味家と言えるので頷いた。
信二は着替えに帰って
駐車場から櫻子を見かけて引き返してきたのだ。
櫻子とゆっくり話がしたかったが、相棒の鼓刑事を待たしていた。
櫻子の母親を事情聴取して
櫻子の家が何代にも亘って裕福である事を知った。
いつも学生らしい服装や持ち物であったので
信二は気が付かなかった。
櫻子も急いでいた。
一度ゆっくり会うことを約束して別れた。