ジェフティ 約束
「ちょっと背中向けて」
 髪を洗い終えると、ラルフは壁にかけてあった分厚い布を取って湯に浸し、石鹸をつけて泡立たせ、シェシルの背中にそれを当てた。
 シェシルの背中はびっくりするほど白い、透き通るような滑らかな肌だ。ラルフはシェシルの肌はもともと褐色だと思っていたのだが、どうやらそれは日に焼けて黒くなっていただけらしい。
 鍛えられた体のラインが、女らしい丸い骨格をすっかり覆い隠してしまっている。日に焼けた首筋や腕、背中の美しく白い肌にも、剣で負ったらしき傷跡が無数についていた。
 ――傭兵として戦場にいたから。
 ラルフはシェシルの強さの意味を知った。合点がいったのだ。
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