ジェフティ 約束
「私はコドリスのルシオンテの産でね。ほら、知ってるか?コドリスで一番高いパルトアガタ山とコドル山脈のドルテナ山に挟まれた谷間の小さな村だよ」
「知ってる」とラルフはうなずいた。
「パルトアガタとドルテナから宝石を採掘している村だよね」
 最高品質のブルーペクトライトを掘り出している有名な村だ。
「ああ、今の村は十年前に再建された村だ。私が住んでいたのはその前、そこで私の父は刀鍛冶をしていたんだ」
 へえっ、とラルフは感嘆の声を上げた。ルシオンテ村の刀鍛冶といえば、ラルフでも知っているほど大陸全土にその名を知られている名工だ。門外不出の製鉄技術と、上質の宝石を使った高度な宝飾技術を併せ持った名刀を作り出すといわれている。作り出された剣は、それこそ国宝級。一般の兵士は握ることはおろか、拝むこともできないほどだ。
「私には歳の離れた姉さんがいたけど、物心ついたときにはもうコドリスの王都ベガンダスに働きに出ていた。そして、あれは……私が十歳の時、ノベリアの軍が、国境を越えて村にやってきたんだ」
< 216 / 529 >

この作品をシェア

pagetop