ジェフティ 約束
「アスベリア……、君はそれでいいのか?その……、ここは君の故郷でもあるわけだし、村人も知らないわけではあるまい。あのルーヤのこともどうするつもりだ。彼女には弟たちがいるのだろう?」
 シラーグは、ここに身を寄せルーヤからの差し入れを食べるうちに、情が沸いたのかもしらなかった。しかし、ペルガの村人はノベリアに対して許されざる大罪を犯したことに代わりがない。アスベリアたちが無事に王都カリシアに戻ることができたとして、ペルガのことをなかったものとし、二人で口をつぐんだとしても、遅かれ早かれいずれはわかることなのだ。
「私は……、ノベリア国に忠誠を誓う者です」
 アスベリアの口から出た言葉は、本人の心にうつろに響いた。
 ――忠誠とは……、笑わせる。
「ペルガの村人は従わざるを得なかったとしても、アイザナック=ラフィ少将の裏切りは万死に値する。この裏切りはその命で償っても到底贖(あがな)いきれるものではありませんが」
「……よいのだな」
「無論です」
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