ジェフティ 約束
 アスベリアたちが農機具小屋に身を隠してから一週間が過ぎた。シラーグはパンをほお張りながらそう言った。
 日がな一日、何をすることもなく隠れていることに限界を感じていた。物音に敏感になり、異常なほど長い一日をただ緊張して過ごすことが辛かったのだ。それはアスベリアも同じで、やけに細くなってきた腕を無意識に摩る。
「……そのようです。ここからは野営の様子が見られないのですが、時折コドリスの兵士の姿を見ますから」
「やつらは一体何をしているんだ。このままでは、体が鈍(なま)ってしまうぞ」
「今夜、ここを出ましょう。早くカリシアに戻って、ペルガまでコドリスが入り込んでいることを知らせなくては。我々が軍を立て直し、再度シンパへと進行するのを待ち伏せるつもりでしょう」
 シラーグは一瞬戸惑うような視線をアスベリアに向けた。
< 440 / 529 >

この作品をシェア

pagetop