ジェフティ 約束
 ルーヤは突然兵士に腕を掴まれ、その拍子に持っていた籠を地面に落とし芋をばら撒いてしまった。ルーヤの顔が恐怖に引きつり、兵士から逃れようと身を翻す。必死になって兵士に掴まれた腕を振りほどこうとするが、その手はびくともしない。その内、兵士はルーヤに何かを言いながらその体を引きずるようにして村はずれのほうへと連れて行ってしまった。それを見ていた村人たちがその後姿を呆然と見送る。
「何が起きたんだ?」
 シラーグの呟きをよそに、アスベリアは干草の下に隠してあった自分の剣を取り出し、小屋の外へと駆け出そうとした。
「ダメだ!アスベリア!」
 シラーグが剣を握るアスベリアの腕を掴んで引き止める。
「やめろ!今出ていったら、彼女が今まで匿ってくれていた意味がないではないか!」
「しかし、このままでは!」
「落ち着け。まだ我々を匿っていたのが知れたと判断するには早い。待つんだ」
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