ジェフティ 約束
「……お婆様」
ジェイは泣きじゃくっている。シモーヌは裏口の戸を押し開き、リリールを押し出した。
「さあ、二人とも」
 村の入り口の方からどよめきが上がる。
 それを合図とばかりに、ラルフは駆け出した。今の自分は沢山の命の犠牲の元に生かされている。ここで死ぬわけにはいかない。
 ――振り返っちゃだめだ!

 村の入り口からは怒号が沸き起こり、家々からは火の手が上がる。
 ジェイの震える指先が、自分の手の内にあり、ラルフの背筋をぞくぞくとしたものが走り抜けた。
 その時だった。
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