もう恋なんてしない
「もしもーし? 俺だ」

「史也…?」

「エライ騒ぎだな、この有名人め!」

「こんな事で有名になっても仕方ないよ・・・」

随分、弱気じゃねぇ??


「お前、冴島優香と本気?」

「バカな事、言わないでくれ。
ケリをつけるはずが、どんどん巻き込まれて…泥沼だ」

「ふ~~ん。そりゃご愁傷様だな。
そんな可哀想な流星チャンに…一度だけチャンスをやる。
瑠璃に会わせる権利。どうする?」

「会わせてくれるのか!?」

「でも・・・当日のみ有効。
俺が連絡係になるから、直接交渉はナシ。
それでも乗る?
冴島優香を失う事になるかもよ?」

「冴島優香とは元々何も無い。
失うどころか、縁が切れてスッキリする」

「今の言葉…忘れんなよ?」

「勿論だ!

なぁ史也…。
出来れば、お祭りの日に会わせてくれないか?」

「祭・・・?」

「大社のお祭り。一緒に行く約束をした」

「分かった。 大社祭の日、な?
瑠璃に伝えておく」

「ありがとう!史也」

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