ロ包 ロ孝 2
大沢を押し退け、動かなくなったサンドモービルにむんずと手を掛けると「ぬぉおおうりゃっ!」野木村は気合いと共に裏返した。
「す、すっげぇぇ」
「あれ、間違いなく300kgは有るっしょ?」
皆が唖然として見守る中、野木村はサンドモービルの外板を引き剥がす。
バキッ ベリベリベリッ!
ガコンッ ゴロン ガラン
「これにロープを結んで引っ張りゃいいだろうよ」
パンパンと手の埃を払い、仁王立ちする野木村。見ると彼の足元にはおあつらえ向きに船の形をした、グラスファイバーの外板が2つ転がっていた。
「ほら、ぐずぐずしてっと何もかんも埋もれちまうぞっ! ポカンとつっ立ってねえで動け動け!」
ドスの聞いた声で『漢・野木村』に急かされた大沢達は、体重の軽い西村と三宅を即席ソリに乗せ、どうにか再出発を果たした。
──────
「こ、こんなに守りが手薄だなんてか、考えられるか?」
そしてどうにか目的地に辿り着いた彼らだったが、そこを守っているのは簡素な警備員小屋がひとつと、その中で暇そうにしている警備員ひとりだけだった。
「いやぁ、表の警戒を厳重にしたらぁ中の設備が重要だと宣伝するようなもんだぁ。きっとぉ内部におびただしいトラップがぁ施されているに違いないぃ」
山路と大沢は固唾を飲んで息をひそめる。
「なぁに2人で盛り上がってんのよ」
野木村が2人の間に割って入った。
「大沢ぁ、貴方はケミカル関係のスペシャリストなんだから、つべこべ言ってないでアイツを眠らせて来なさいよっ!」
「わわっ、解りました」
野木村に尻を叩かれ、サンドモービルからごそごそと何やら取り出してきた大沢は、バーナーで鍋に湯を沸かすとビーカーにそれを注いだ。
そこに茶色と白と象牙色の粉をそれぞれ同量ずつ投入し、良くかき混ぜる。
カチャカチャ
ガラスの撹拌棒がビーカーと触れ合う音が、吹き荒ぶ風の間に間に小さく響いていた。
固唾を飲んでその光景を見守っている野木村達。
「す、すっげぇぇ」
「あれ、間違いなく300kgは有るっしょ?」
皆が唖然として見守る中、野木村はサンドモービルの外板を引き剥がす。
バキッ ベリベリベリッ!
ガコンッ ゴロン ガラン
「これにロープを結んで引っ張りゃいいだろうよ」
パンパンと手の埃を払い、仁王立ちする野木村。見ると彼の足元にはおあつらえ向きに船の形をした、グラスファイバーの外板が2つ転がっていた。
「ほら、ぐずぐずしてっと何もかんも埋もれちまうぞっ! ポカンとつっ立ってねえで動け動け!」
ドスの聞いた声で『漢・野木村』に急かされた大沢達は、体重の軽い西村と三宅を即席ソリに乗せ、どうにか再出発を果たした。
──────
「こ、こんなに守りが手薄だなんてか、考えられるか?」
そしてどうにか目的地に辿り着いた彼らだったが、そこを守っているのは簡素な警備員小屋がひとつと、その中で暇そうにしている警備員ひとりだけだった。
「いやぁ、表の警戒を厳重にしたらぁ中の設備が重要だと宣伝するようなもんだぁ。きっとぉ内部におびただしいトラップがぁ施されているに違いないぃ」
山路と大沢は固唾を飲んで息をひそめる。
「なぁに2人で盛り上がってんのよ」
野木村が2人の間に割って入った。
「大沢ぁ、貴方はケミカル関係のスペシャリストなんだから、つべこべ言ってないでアイツを眠らせて来なさいよっ!」
「わわっ、解りました」
野木村に尻を叩かれ、サンドモービルからごそごそと何やら取り出してきた大沢は、バーナーで鍋に湯を沸かすとビーカーにそれを注いだ。
そこに茶色と白と象牙色の粉をそれぞれ同量ずつ投入し、良くかき混ぜる。
カチャカチャ
ガラスの撹拌棒がビーカーと触れ合う音が、吹き荒ぶ風の間に間に小さく響いていた。
固唾を飲んでその光景を見守っている野木村達。