乱反射するプリズム
「なにやってんのかって聞いてんじゃん!」

夢の世界へ片足をつっこみかけているときに、耳元で急に大声で叫ばれる、ありえないくらいの速さで上体が起き上がった。冷や汗が止まらなかった

さっき、人の耳元で叫んだあげくにやにやしてる犯人を見て、汗を拭った。コイツは…と睨みを利かせるが、当の本人は全く気付いていないようだ

今もなおにやにやしながら、隣に座ってきて、にやにやした顔を少し近付ける

「ね、構ってよ」

「…は?」

「いーじゃん、構ってよ。ねぇ」

手を広げて、ゆっくり体ごと近づいてきて抱きつかれる。奴は腕の中にすっぽり収まるのを確認すると抱きしめる力を少し強くした。人肌の暖かさが衣類を通じて伝わってくる

「…かわいい」

「なんなの、急に」

「……ん? なんでもないよ」
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