好きだ好きだ、大好きだ。
「じ、実はね……」
「……えっ?」
亜矢ちゃんの、突然のその様子の変化に驚いた私まで、ついつい声が小さくなる。
「実は……」
「う、うん」
「……」
「……」
無駄に勿体ぶっている気がするその沈黙に、私は思わず唾を呑んだ。
「潰すべきは、相手校のキャッチャーらしいよ?」
「……」
し、しらねぇーーー!!
もうね、そんな情報心底どうでもいいわっ!!
悔しい!! 何だかとっても悔しいんですけど!!
すっかり亜矢ちゃんに騙された私は、1人頭を抱えて悔しがる。
そんな私の隣には、それまで掴んでいた私の腕をポーイと投げ捨てて、またグラウンドの晃君に大声援を送り始めた亜矢ちゃんの姿。
1人悔しがる私だったけど……
「でもホントに、華も見ておいた方がいいと思うよ」
亜矢ちゃんは、そう言って打席に立っている晃君の後ろにしゃがむ、相手校のキャッチャーを指差した。