好きだ好きだ、大好きだ。
「見ておいた方がいいって、どういう意味?」
「んー? 何か、すっごいんだって」
「はい? “すっごい”って?」
「……とにかく、すっごいの」
「……」
もはや説明放棄とも取れる亜矢ちゃんの言葉に、もう私はあきらめの境地に達する。
そうだ、そうだ。
これが私の長所ってやつだ。
あれ? でも、あきらめが早いって、短所?
「……」
「華? どうしたの?」
「いいえ。別に」
いや。
“対 亜矢ちゃん”の場合は、絶対に長所だ。
こうでないと、この子とは付き合えないに違いない。
そんな事を1人で考えながらもう1度グラウンドに視線を向けると、何気にもう9回の裏だったらしく。
最後のバッターになりそうな晃君が、キャッチャーフライを上げたところだった。