好きだ好きだ、大好きだ。

――だけどね……?

「ハナちゃん」
「んー?」
「キャッチャーがピッチャーにサイン出す時、バッターのどこを見て出すか分かる?」
「えぇー、どこだろ。視線とか?」
「足だよ」
「“足”?」
「そう。素振りをした時とか、打席に入った時の足の置き方で、何の球種を狙ってるのか分かったりもするんだ」
「ほえー。そうなんだぁ……」

真剣な表情で、野球のことを教えてくれる夏希君の顔も、すごく好きだなぁーって――。

いつの間にか、そう思うようになっていた。



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