好きだ好きだ、大好きだ。
「亜矢ちゃん、どどどどうしよう。緊張してきた」
その週の日曜日。晴れ渡った真っ青な空の下、私は夏希君に指定された時間に、教えてもらった会場の市民球場に来ていた。
隣には、呆れたように白けた目をした亜矢ちゃんの姿。
「はぁ!? 何であんたが緊張すんのよ。あんた試合出ないでしょ?」
「いやいやいやいや。そうじゃなくて」
亜矢ちゃんは本当にわかってない。
「この服、変じゃない? 可愛い?」
「普通」
「……」
「はいはい。可愛い、可愛い。可愛いです」
「か、髪の毛、ボサボサになってない?」
「もうそれ、何回目⁉」
「だってー……」
乙女心ってやつが、わかっていないんだ。