好きだ好きだ、大好きだ。

意味わかんない事って、なんだろう?
そう思って顔を顰めながら、観覧席下のトンネルみたいになっている入口をくぐろうとした瞬間……。

「ハナちゃん」

頭上から聞こえたその声に、慌てて顔を上げた。

丁度トンネルの入り口の真上の観覧席から、ヒョコッと顔を出したのは……

「夏希君!」

いつもバイト先で見かける、白と黒の練習用の物ではなく、白とモスグリーンのユニフォームに身を包んだ夏希君だった。

あぁ……。
かっこいい。たまらなくかっこいい。

その顔をうっとりと見上げる私の横には“ふーん。いいじゃん”なんて、あからさまに品定めをしている亜矢ちゃんがいるけれど、それどころじゃない。

「城戸ー! 彼女か!? 彼女来たんか!?」
「マジかよ!! どれどれ!?」
「ちょ、お前押すなバカ!! 落ちたらどーすんだよ!!」

一斉に騒ぎ出すその他大勢の皆さんに、アワアワと慌てだす私。

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