好きだ好きだ、大好きだ。

「へぇ。カッコいいじゃん」
「……ムフフ」
「その笑い方やめなよ。キモいよ?」
「……」

夏希君が去ったあと、日焼けをしたくないからギリギリまで日陰にいると言い放った亜矢ちゃん。
ワガママだなぁなんて思いながらも、付き合ってもらっているワケだし、何より相手は亜矢ちゃんだし……。
逆らうワケにはいかない。

何も言うまいと心に決めた私の隣で、亜矢ちゃんは、日焼け止めを入念に塗りたくる。

結局ほかに日影が見当たらなくて、さっき夏希君が顔を出した観客席の下のトンネルの壁に二人で寄りかかっていた。

「しかも“彼女”って言われたの、訂正しなかったし。やっぱ、いい感じじゃーん」

相変わらずニヤニヤと笑う亜矢ちゃんに、少し唇を尖らせながら視線を向ける。

< 64 / 232 >

この作品をシェア

pagetop