好きだ好きだ、大好きだ。
「亜矢ちゃんっ! 腕痛いー!!」
「いいから! 早くしてよー! 華のノロマー!!」
えぇ……。
ひどい、亜矢ちゃん。
「そもそも華が、ラザニアに捕まったりするから遅くなったんでしょ!?」
「そうだけどー……」
ラザニアっていうのは、頭の上にラザニアみたいな平らな人工物(という名のカツラ)を乗っけている、物理の先生。
「何で私まで、資料室の掃除手伝わなきゃいけないのよー!?」
そんな彼に廊下で捕まり、今の今まで資料室の掃除をさせられていたんだ。
大声で叫びながら、私の手首を掴んでズンズン歩く亜矢ちゃん。
「足からまるー!! 転ぶー!!」
「だって、もう晃の試合始まってるんだよ!?」
晃君ってのは、亜矢ちゃんの彼氏で、うちの学校の野球部のエースなんだけど……。
“エースって何? 一塁の人?”
って聞いたら、亜矢ちゃんに“チョモランマかっ!!”ってくらいの、物凄く冷たい瞳で見つめられた事がある。