好きだ好きだ、大好きだ。

――次の日も、次の日も。

そのまた次の日も、いつも同じくらいの時間にこうしてやって来る彼。


いつの間にか私と彼は、

「……」
「……」

“会釈友達”になっていた。

いや、私が勝手にそう思ってるだけなんだけどね。

それはあの日のように、帰りしなだったり……。
はたまた、バイト中にボールの補充や機械の点検をしている時だったリ。

目が合うと、お互い何となく……会釈。

別に、会話を交わすわけでもないし、交わしたいと思うわけでもない。
“友達”というには程遠いけど“他人”よりは近い感じのその不思議な距離。

それがちょうど、心地いい。

この“不思議空間”では、こんな関係も生まれたりするんだ。
それはくすぐったいような、少しもどかしいような、そんな感覚。


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