THE FIRST STEP



家に帰ってきて自室に一目散に入ると、制服もそのままにベッドの淵に突っ伏した。


漏れる嗚咽。
頬をつたう涙を拭う余裕もない。


私はさっきの自分の言葉ではっきりと自覚してしまった。


この胸のもやもやは。
私だけが過去に置いていかれているような寂しさのわけは。



気づいていなかったわけじゃない。
気づきなくなかったんだ。




私まだ藤田くんのことが好きなんだ。



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