その仮面、剥がさせていただきます!
教室に近づくと、気づかれないように壁伝いに歩く。
少しでも顔を隠したくて、制服のポケットの中で丸まっていたハンカチをとりだすとそれを頭にかぶった。
傍(はた)から見ると異様な光景である。
そんなことはお構いなしに、あたしは王子がいるであろう教室のドア寄りの壁に背中をぴったりとくっつけた。
『家政婦は見た』の市原〇子よろしく、顔だけ半分出して教室の中を探る。
時々あたしを?指さして笑ってる輩がいることはこの際ムシ。
こんなことならサングラスも用意しておくんだった、とちょっとだけ、いやね。ちょっとだけだけど、後悔した。
けど、またすぐに、まるで探偵になった気分だとニヤリと顔の筋肉が緩んだ。
その時――――
一人の女の子が涙を両頬に伝わせながらあたしの方へ走って来たのよ。