揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
電話を切って下に降りていくと。

お母さんと克也は、先にご飯を食べていた。


「ごめんね、遅くなって」


慌てて席に着き、箸を手にする。

そんな私を、向かいに座る克也がチラチラと見てきた。


「……何?」


何だか気持ち悪くて、そう尋ねたけれど。


「いや、別にぃ」


意味ありげな言葉を返してくると、ニヤッと笑みを向けてきた。

イラッとくる態度に、だんだんと腹が立ってきて。


「言いたい事があるなら、はっきり言いなよ」


半ば怒り気味にそう言うと、


「え?言っちゃっていいの?」


って、嬉しそうに私を見てきた。


何なのよ、ホントにっ。


「一体どうしたのよ?克也」


すると、見かねたお母さんが口を挟んできて。

呆れ顔で、克也を見ている。


「あのさ、さっき姉ちゃん…男と電話してたんだぜ。かわいい声なんか出しちゃってさ」


ニヤけた顔をお母さんに近づけ。

あろうことか、そうチクりだした。


「なっ!?」


何を言い出してんのよっ!!


そう怒鳴ろうとしたら、


「男の子と電話?何よ、やっと彼氏できたの?」


って、嬉しそうにお母さんがこっちを向いて訊いてきた。


いや、そんな喜ばれても……。
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