揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
『……』


高崎君からは、しばらく反応が無かった。


あれ?

電話、繋がってるよね?


「た、高崎君?」


おそるおそる、声を掛けてみると……。


『……ごめん。マジで嬉しすぎて、声出なかった』


ぼそっと聞こえた声。

そう言ってもらえて、とりあえずホッとした。


だけど、やましい気持ちが心の中にはあって。

少し、胸が痛む。


「えっと……」


そこから先を考えてなかったから、言葉に詰まってしまった。


≪これからよろしく≫とかって言えばいいのかなぁ?

何てったって、男の子とつき合うのって初めてだし。


そう悩んでいたら、


『じゃあ改めて、これからよろしく』


って、高崎君の方から言ってくれた。


考えてた事が一緒だなって思ったら、何だかおかしくて。

つい、笑ってしまった。


『え?何かおかしい?』


焦る彼に、慌てて声を掛ける。


「違うの違うのっ。私も…同じ事、考えてたから」


『あっ、そうなんだ』


ホッとしたような声。

みんなの憧れの高崎君が、ちょっと身近に感じられた。


それからしばらく、私達はたわいもない話をした。


学校の話、バスケの話、諒斗の話。

お互いの事を知る為に、たくさん話をした。
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