揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「はぁ……」


結局、あの後大翔君と顔を合わす事は無くて。

沈んだ気持ちを引きずったまま、今朝に至る訳で……。


「なんか、ホント浮き沈み激しいね」


沙希の呆れた声が聞こえる。

机に突っ伏したまま、私は窓の外を見ていた。


「まぁね……」


そう答えながら、じっと空を見上げる。

昨日の雨とは打って変わって、朝から眩しいほどの快晴で。


今日は…野球あるよね?


雨じゃないなら、大翔君は部活があって。

そうしたら、もう家に来てたりすることはない。


その方が、いいに決まってる。


「おい、由佳っ」


急に、諒斗の声がした。

ゆっくり顔を向けると、今来たばかりのアイツは何やら怒ってるようで。


「何?」


「お前、真吾とつき合うようになったんなら、何で俺に言わねぇんだよ?」


「あ……」


そう言われれば、そうだった。

昨日も会ったのに、すっかり忘れてた。


っていうか、昨日もその前の日の電話の事で落ち込んでたし。
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