揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「あのガキが付けたのかよっ?」


諒斗には、その跡が何なのか分かっている。


大翔君が付けた、キスマーク。

私が彼のモノなんだっていう証。


「そう…よ。私は、大翔君のモノなの」


諒斗の目を真っ直ぐに見て答える。

真剣に大翔君を想ってる事を、伝えるために。


「……!」


すると、やめるどころか諒斗は、キャミソールを一気に捲くり上げてきた。


「やっ、やめてよっっ」


ブラがあらわになり、それすら下にずらされて。

私の胸が、まともにさらけ出されてしまった。


「諒斗!やだってば!」


必死に叫んで抵抗するけれど、その唇はまたアイツに塞がれて。

空いている右手で、そのまま胸を触られてしまった。


「んっ、んっっ!」


唇が邪魔でうまく叫べないでいると、そのまま諒斗に胸を揉まれ。


すごく嫌でたまらないのに、止める術がない。

足をバタつかせても、アイツはお構いなしに触り続ける。


堪え切れずに、私は諒斗の唇に噛みついた。


「ってぇ!」


さすがに痛かったのか、アイツは唇も手も私から離した。


その間に、慌てて服の乱れを直す。

ただ、逃げるほどの隙はない。


唇から流れる赤い血をペロッと一舐めし、諒斗はじっと黙ったまま私を見ている。


その目からは…殺気すら感じられた。


身の危険を感じ。

金縛りにあったかのように、その場から動けなくなってしまった。


「ふっざけんな!」


そう言ったかと思うと、諒斗は私の左頬を思い切りひっぱたいてきた。


「きゃっ!」


その勢いがすごくて、そのまま部屋の壁に頭からぶつかっていった。


鈍い音と共に、頭に痛みが広がる。

視界がだんだんと暗くなっていくのが分かった。


気を失ってしまうのかもしれないと思った時、視界に壁掛け時計の文字盤が目に入った。

12時45分を指している。


駅に…行かなきゃ。

大翔君と約束したんだから……。


そう思いながらも、私はそのまま意識を手放してしまった。
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