揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
それでも…彼女は来なかった。


電話も掛ってこないし、メールの返事もない。


何かあったとか……?


時間が経つにつれ、不安が募っていく。


「もう一回……」


俺は、もう一度彼女の携帯に電話をした。


トゥルルルルルル……


さっきと同じだけ鳴り続ける、呼び出し音。

やっぱり、いくら待っても電話に出てくれない。


もう一度、俺は彼女にメールを送った。


≪駅の改札で待ち合わせで良かった?≫


もしかしたら、俺が場所を間違えているのかもしれない。


だけど、それから10分経っても返事が無い。


もう一度、電話を掛ける。

応答がない。


また、メールを送る。


≪電話鳴らしたけど、分かったかな?≫


こんな事で動揺してると思われたくなくて、わざと余裕がある振りをした。

だけど、ホントはこれっぽっちも余裕なんて無い。


姿を現さない彼女。


電話をくれない。

メールも返してくれない。


約束を忘れてるのか?

それにしても、何も返答がないのがおかしい。


「そうだ……」


俺は、ある事を思いついていた。


それは、由佳さんの家に電話をする事。

克也へ電話を掛けて、由佳さんがいるかどうか訊いてみればいいんだ。


思いつくとすぐ、俺はメモリーから克也の名前を出した。

アイツは携帯が無いから、家の電話が登録してある。


トゥルルルル……


ドキドキしながら待っていたが、一向に出る気配がない。


こっちも出ないのかよ?


諦めて、電話を切った。

家の電話にさえ誰も出ないとなると、連絡の付けようがない。
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