揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「何か訳があるんだろ?水沢に何かされたとか?」


弟の優しさが、痛いほど胸に染みてくる。


怒られても仕方ないのに……。


「水沢のせいじゃ…ないよ」


そう。

彼女のせいじゃない。


こんな体になってしまった…私が悪いんだ。


「じゃあ、どうして?元彼に何か言われたの?」


「それも…違う」


真吾も、悪くない。

あんなひどい仕打ちをしたのに、今日も私を助けてくれた。


真吾が来なかったら?


そう考えると、今でも体に震えがくる。

諒斗に、また今日も抱かれていたかもしれないのだから。


「大翔、今日いつもと違って変だったよ。何かヤケになってたし。俺としてはさ、辛いんだよな。あんな大翔見るのも、こんな姉ちゃん見るのも」


そう言って、机の上にあったボックスティシュから1枚抜き取ると。

克也は私に差し出してきた。


「ありが…と」


どんどんと溢れ出てくる涙を、私はそのティッシュで拭った。

だけど、すぐに染み込んでいく涙はそれだけじゃ拭いきれなくて。


「大翔は、姉ちゃんの事まだ好きだと思うよ。ヨリ、戻してやってよ?」


そう言って、克也は新たに3~4枚のティッシュをくれた。

受け取り、ボロボロと零れてくる涙を懸命に拭っていく。


嫌な過去も、こうやって拭い去れればいのに。

そしたら…今すぐにだってヨリを戻したいよ。
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