揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤

chapter32

「大翔っ、今日予定あるか?」


帰りの会が終わるとすぐ、克也がうちのクラスに入って来た。


「いや、別に無いけど」


昼から降りだした雨のせいで、部活は中止になってしまった。

梨香とはもう約束もしないし、図書室に寄ろうかと思ってたぐらいで。


「じゃあ、俺ん家で一緒に宿題やらねぇ?算数のプリント、超ムズイんだよ」


「お前ん家……?」


克也の家=由佳の家なわけで。

迂闊に返事をしていいものかと、俺は考えを巡らせていた。


由佳に会って、もう一度話をしたかったのは事実。


だけど、彼女は会ってくれるだろうか?

俺を見て…逃げてしまうんじゃないだろうか?


そう考えると、かなり胸が苦しくなる。

好きな人に拒絶される事ほど、怖いものはない。


「姉ちゃんなら、帰り遅いって言ってたから大丈夫だよ」


俺の耳元で、克也はそう囁いた。

由佳の事を気にしているのは、どうやらバレバレだったらしい。


「分かった。荷物置いたら、お前ん家行くよ」


とりあえず……、会ったら会った時だ。
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