揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「俺以外の男に…抱かれた?」


あえて、核心をついた。

快楽に包まれかけていた彼女が、ふと現実に引き戻された表情を見せる。


少し怯えたような、引きつった顔。

上気して火照っていた顔が、だんだんと青ざめていく。


「だから…別れようと思ったの?」


背けようとした顔を、俺は慌てて左手で掴んだ。


真っ直ぐに俺の方に向けると。

下唇を噛みしめながら、彼女は目に涙を溜めていた。


「そいつの事…好きなの?」


不安を抱えたまま、そう尋ねてみた。

もし好きだと言われたら…このまま彼女をめちゃくちゃにしかねない。


それぐらい、実は嫉妬にかられていた。


「ちがっ……」


絞り出したかのような、声。

俺に掴まれながらも、懸命に首を横に振る。


「好きじゃ…ないの?」


内心ほっとしながらも、すぐに次の疑問が湧く。


じゃあ、何で抱かれたの?


「無理矢理……」


そう答えたところで、溜めていた涙が零れ出した。

堪えていた由佳の気持ちを吐き出すように、どんどんと零れていく。


無理矢理って…レイプって事かよ!?


俺の体が、怒りにわなないた。

小刻みに震える体を、右手と両足で支える。
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