揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「俺も、もう離さないから」


そう言ってゆっくりと腕を離すと、彼は体を私の正面に動かしてきて。

まともに、向かい合わせになってしまった。


「ずっと一緒にいてくれる?」


真っ直ぐに見つめられ、とりあえず頷き返す事しか出来なかった。


「年の差なんて感じさせないように、頑張るから」


もう一度、頷く。


「俺が二十歳になったら、誰にも文句言わせないし。だから、ずっと一緒にいて?」


「いるに…決まってるじゃん」


何だか、胸が詰まってくる気がした。

嬉しくて、幸せで。


大翔君が、そんな先の事まで考えてただなんて。

私との将来を…見てくれてたなんて。


「何で泣くの?」


いつの間にか零れていた私の涙を指で拭いながら、ふっと彼は笑った。


「嬉しい時にだって、泣けるんだよ」


目に涙を溜めながら、私も笑顔を返す。




彼が小学生だって、分かってる。

私より5つ下だって事も、分かってる。


だけど、私には彼しかいないの。


このままお互いに想い続けていけば、きっとそんなモノは乗り越えていけるはず。


2人でいれば、絶対に大丈夫。













……そう、信じてたんだ。


この先に、2人にとってどんな試練が待ち受けているのかなんて。

全く思いもしなくて。


自分達の想いがあれば大丈夫、そう…過信していた。



だって、この時の私はまだ知らなかったんだ。




彼が、私にさえ打ち明けなかった秘密を……。




                                        【完】


(『揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦』へ続く)
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