揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「整列…だよ」


そんな彼に声を掛けたのは、学校の体操服とジャージに身を包んだ水沢だった。


「……あぁ」


ゆっくりとヘルメットを外し。

両手を差し出す彼女に、大翔君はバットと共に預けた。


マネージャーであり、彼女でもある水沢。

今の彼を一番傍で支えてあげられる事のできる、唯一の女性。


正直、羨ましかった。

彼が辛い時に、近くで慰めてあげる事のできる彼女が。


私には…見てることしかできないから。


そしてお互いのチームが向かい合って整列し、最後の挨拶をした。

ベンチに戻って来たナイン達に、応援団も惜しみない拍手を贈る。


みんな、よく頑張ったよ。


監督からの話があった後。

グランドや用具の片づけをして、それぞれ解散となった。
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