揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「由佳、こいつバスケ部の高崎真吾。お前に話があるんだってさ」


高崎君……?

やっぱり、知らない子だった。


バスケ部というだけあって、諒斗みたいに身長は高い。

しかも、近くでよく見たらかなりのイケメン君だ。


「吉野さん、急にごめんね」


吉野っていうのは私の名字で。

向こうは、私の事を知っているらしい。


「あ、ううん、別に」


とりあえず、愛想笑いを返してみる。


「あのさ、吉野さんって今つき合ってる人いる?」


「えっ?いないよ」


慌てて、愛想笑いに手の振りを足した。


「じゃあ、好きな人は?」


そう訊かれた瞬間、不覚にも大翔君の顔が浮かんでしまった。


やだっ、何でここであの子を思い出すのっ!?


何故だか顔が火照ってくるのを感じて、自分でも驚いていると。


「良かったら、つき合ってくれないかな?」


と、さらっと告られてしまった。
< 9 / 298 >

この作品をシェア

pagetop