月を狩る者狩られる者
人の気配なんて全く感じなかったのに。

でも声がした方向を見ると、男が一人そこにいた。


「っ!?」

私は息を飲んだ。

その男の美貌に。


朔の夜の暗闇ですら、男の美しさを隠す事は出来ない。



吸血鬼……。


瞬時に分かった。

吸血鬼は皆美しい顔立ちをしているが、この男の美しさは尋常ではなかったから。


まさに人外の美しさ。


神や悪魔に連なる者にしか持てないと言われるような、絶対的な美しさ。
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