月を狩る者狩られる者
「早く終わらせて帰って、続きをするぞ」


不機嫌な声に、私は少し笑ってしまう。


「そうね、早く帰ろう」

視線はターゲットに向けたまま、返事をした。


するとターゲットが怪しい動きをしはじめ、通行人に掴みかかった。



「あ! 今よ朔夜。行きましょう!」

「ああ、行こう」




そして、今宵も月は踊る。

 
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