月を狩る者狩られる者
~依頼~
「……」
私は今決断を迫られている。
ううん。
本当はすでに決まっていることだから、後は実行するだけでいい。
でも、実行に移るのがとても躊躇われた……。
「何してるんだ? 早くしろ」
隣に座っている朔夜が急かしてくる。
「うん、分かってる。分かってるけど……」
私はそう言って生唾を飲み込んだ。
改めて、目の前にあるそれを見る。