月を狩る者狩られる者
改めてそう繰り返した沙里さんの表情は、母親のような……姉のような……優しいものだった。



私は何も言えなくて……。


ただ、何だか嬉しくて……そして気恥ずかしくて……。


とても、優しい気持ちになれた。



そうして何とも言えない気分ではにかんでいると、朔夜が戻ってきた。

「ほら、報酬だ。……何を話していた? こいつに変なこと吹き込んでないだろうな?」

朔夜はあからさまに嫌そうな顔をした。

それに沙里さんは不敵な笑みで答える。


「さぁ? どうかしらね?」
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